楽曲の「なんかエモい」を体系化した良著『一発で記憶に残る曲を作る!9つのルール』を読もう。

音楽界隈で今話題になっている、割田康彦先生の書籍、『一発で記憶に残る曲を作る! 9つのルール』を読んでみました。この本は、作曲を嗜んでいる人にはもちろんですが、特にプロ志向で楽曲コンペ・楽曲販売など、多くの人の目に止まる必要のある楽曲を制作してる方にこそバイブルとして手元に置くべき書籍だなと感じました。

初心者は作曲基礎の構築に、中級者以上は自身の作曲行動の体系化に役に立つ一冊です。

Amazonのなか見!検索でも内容を何ページか見れるのですが、何度もコンペ採用されたとかの強者には不向きかもしれません。ただ、コンペ参加している人、事務所応募の楽曲を作っている作家・アーティストは必読かと思いますしその価値はあります。

 

一発で記憶に残る曲を作る! 「9つのルール」

一発で記憶に残る曲を作る! 「9つのルール」

 

小難しい音楽理論は一切無く、ウケる作り方を細かく分かりやすく解説してくれています。本書籍は作曲におけるなんとなくこう作ったらエモくなるよねみたいな経験則を、ちゃんと言語化してくれているところが最高にGoodです。

この書籍は、作曲の出来栄えを70点→100点にする魔法の書籍では無い(そんな書籍があったら是非教えてほしい…)のですが、平均点65点(38点、65点、95点。ただし赤点ありな人を、平均点75点(70点、75点、95点。赤点は皆無)にしてくれるような、地味ながら大変有り難い書籍という印象を受けました。

ちなみにしっかりと読み込んでも、2~3時間くらいで読破できますし、サンプル音源も豊富ですので、楽曲制作に行き詰まった時の気分転換にもちょうどいいです。

 

体系化された9つのルール

本書籍の軸でもある9つのルール、こちらは目次にも書いてありますので、Amazonから引用させていただきました。

  1. 客観視できているか?
  2. メロディの主張があるか?
  3. 効果的な「反復」が施されているか?
  4. 歌詞に反復性があるか?
  5. 起伏(メリハリ)があるか?
  6. 曲全体がコース料理になっているか?
  7. 盛り込みすぎていないか?
  8. 応用編 メロディを突き詰める「旅」をしたか?
  9. 神は細部に宿る!

はじめ、私はこの目次を見て正直買うかどうかを凄く悩みました。なぜなら、大体わかってそうな内容だったからです。主張とか反復とか起伏とか既にやってるよ知ってるよという感じ。

でも買ってみて感じた事は、頭でなんとなく分かってる事と、キチンと体系化されている事は全然違ったということでした。書籍の各章にチェックリストがついていて、「**は出来ているか?」「**は適切か?」みたいなのが書いてあるんです。これ、自分が曲を作るとき用にチェックリストとして全部リストアップしたら、第三者的な目線で作ることが出来て、もの凄く役に立つなと感じました。体系化・言語化の素晴らしいところです。

あと、9章で解説している「神は細部に宿る!」では、割田康彦先生による最高の小手先テクニックが満載で、「ああ~なるほど確かにこんなテク、普段無意識だけど使ってたわ…!」と、自分の手法を見直すいい機会になりました。

 

総評

理論を解説している書籍は多いですが、こういう風に、作曲の流れ・作り方を体系立てて解説してくれる書籍はなかなかないのではないでしょうか。

西野カナがトリセツの作詞手法をビジネスライクで行っていたことが話題になりましたが、私はそれが当たり前だと思いますし、楽曲制作においても、人の心を打つためには色々なテクニックを実施して然りだと思います。

この書籍は、そんなテクニックややり方を体系化して見える化してくれるので、皆さんの楽曲制作の第三者的な目になってくれるのではないかと思います。ちなみに私は早速これからココに書いてあることを全てリストアップして今後の制作活動に使っていく次第です。

一発で記憶に残る曲を作る! 「9つのルール」

 

 

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