おしゃれコード進行(Im7→VIø→IIø→V7系)の解析

Im7→VIø→IIø→V7系の動きのコードの分析。いわゆる、マイナー1625循環コード進行としてJazzで使われることが多いですが、Popsでも部分転調リハモして使われていたので、忘備録を兼ねて書きました。

コード進行

曲調:Am

コード進行(簡易)

Am7 | F#ø | Bø | E7 |

Am7 | F#ø | FM7 | B♭M7 |

※補足: øはm7(♭5)の略号

1行目の4小節がそうなのですが、ジャズのイントロとかで使われる、マイナーの1625進行(循環進行)です。

Am7 | F#ø | Bø | E7 |

を2~4回繰り返して、ジャズのイントロで使われることが多いです。

 

2行目はその応用といったイメージです。転調しているような浮遊感が出ます。

Am7 | F#ø | FM7 | E♭M7 |

こちらの4小節を循環させカッコよさを出している楽曲は、Wake Up, Girls!の「素顔でKISS ME」のイントロ・Aメロのコード進行です。田中秀和さんの曲最高ですね…

少女交響曲 *CD+DVD

 

このコード進行の特徴

1行目はマイナー1625進行、2行目は同系統ではあるものの部分転調を含んだ進行となっているのが特徴です。一つづつ見ていきましょう。

1行目:マイナー1625進行

1行目の進行をA(ルートの音)をⅠとして考えると、

Ⅰm7 [T] → Ⅵφ [T/SD] → Ⅱφ [SD] → Ⅴ7 [D]

となります。この和音のうち、

  • Ⅰm7、ⅡφはAm調のナチュラルマイナーのダイアトニックコード
  • Ⅵφ、Ⅴ7はAm調のメロディックマイナーのダイアトニックコード

に属しています。

少し複雑ですが、どのコードもAm調のマイナー系列のスケールから派生しているという点では同じ属性と言えます。

2行目:マイナー1625進行の後半を部分転調

今回の進行のミソの2行目なのですが、

Ⅰm7 [T] → Ⅵφ [T/SD] → ♭ⅥM7 [SD/T] → ♭ⅡM7 [D/SD]

  • ♭ⅥM7はAm調のハーモニックマイナーのダイアトニックコード
  • ♭ⅡM7は???(Ⅴ7の裏コード♭Ⅱ7の間違いなんじゃ…)

と、最後のコードの解釈で”?”になるかとおもいます。

 

ここだけ転調していると考えてみると…

ここは考え方としては一捻りして、直前のコード「♭ⅥM7」が属しているのスケールの和音を借りてくる手法が使われているかと思います。

  • ♭ⅥM7はAm調のハーモニックマイナーのダイアトニックコード → F調のメジャースケールのダイアトニックコードとも捉えられる
  • ♭ⅡM7はF調のメジャースケールのダイアトニックコード

これを転調と捉えるのもOKではありますが、一瞬の出来事ではありますので、部分転調もしくは別のモードのスケールを借りてきたという意味で、モーダルインターチェンジと考えるのが一番しっくりくるのかなと言うイメージです。

(別の解釈もあるかとは思いますので、私は違うと思うなどあれば是非コメント等でご指導いただきたい…)

 

アドバイス求む:「♭ⅡM7」をF調でのSDと捉えるか、Am調でのA[T]半音上Bb[D]と捉えるかは、結論が出なかったので、D/SDと書いてしまいました…(こんな書き方は無いかもしれない)。こういった転調含みの場合のコードの役割をどう捉えるべきか、ご存知の方いたら是非教えていただきたいです…

 

補足

曲の途中のコードのテンションですが、お好みで付けたり付けなかったりすると良いと思います。

 

コード進行関連のオススメ書籍

このあたりを抑えておくと、楽曲制作時にちょっとしたエッセンスを足したりしたい時に凄く役立ちます。

かっこいいコード進行108

ジャズテイストのコード進行で曲を作ってみたいけど、自分の引き出しの中にはアイディアがないし…という方向けの8小節×108パターンの実例集。

転調テクニック50

created by Rinker
¥1,980(2024/04/20 12:16:52時点 Amazon調べ-詳細)

作曲でもう一捻り入れたいときは転調したりしますよね。ただ、オーソドックスな転調しか出来ないという人のためのエッセンスが詰まった一冊。ポップスで活用しやすい50の転調パターンを掲載。作曲ネタとしても活用できます。

コード理論大全

created by Rinker
¥3,080(2024/04/19 20:55:57時点 Amazon調べ-詳細)

基礎から応用まで網羅した、全ジャンルの音楽家必携の標準コード理論書です。和声の基本から現代のコードの使い方まで網羅されています。しっかりと理論を勉強したい方向け。本棚に是非置いておきたい一冊。

コメント